「小説 大谷吉継」菅 靖匡
2007年09月26日 (Wed) 12:55

小説 大谷吉継
学習研究社(学研M文庫)/菅 靖匡
講談調?とでも言いますか…懐古的な文体で書かれていて、ずいぶんクセのある作風です。が、慣れれば古い時代の雰囲気が感じられて私には楽しめましたけれど、好みは大きく分かれそう。
本書の吉継は男っぽさにあふれて勇ましい反面、絵に描いたごとく冷静沈着でもあり、彼の視点で見る秀吉子飼いの連中と関ヶ原合戦の状況は、「中立的」あるいは「客観的」な印象がします。西軍東軍のどちらに肩入れするでもなく、読みながら、なにか冷静に天上から下界を見下ろしているような気持ちにさせられると言うか…。私的には、この吉継の解釈による石田三成がやや喜劇的ながら、歯がゆいしなにか見限れない感じがして面白かったです。
ただ、この吉継は「孤高の知者」とでも呼びたいパーフェクトマンに描かれているため、他の登場人物が一人もらさずアホに見えてしまうところが難点でしょうか; 高潔すぎて、吉継自身に感情移入するのも難しく…。
ところで、秀吉の若かりし当時の子飼い連中が揃うとよく荒くれた展開になります(鼻血はおろか、鼻柱が折れるほど殴ったりとか;) でも、彼らの生きた時代…武家でも下層の男ども?って実際にそんな風だったのかもしれませんね。多くの歴史・時代小説でわりとお上品で紳士的な人物表現ばかりを目にするので、この点がちょっと新鮮に思えてしまいました。






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