「大江戸定年組」風野真知雄
2007年03月13日 (Tue) 15:20

初秋の剣―大江戸定年組
二見書房/風野真知雄
江戸中期を舞台にした、シリーズもの時代小説。
隠居した50代半ばの男性3人組が同列の主人公で、北町奉行所の元・同心、旗本、大店の元・主人と身分に違いはあるものの、仲のよい幼なじみ同士という設定です。

菩薩の船―大江戸定年組〈2〉
二見書房/風野真知雄
上記の3人は、隠居後の人生に新たな目的意識を得たいという考えから、江戸・大川沿いに共用の隠れ家を見付け、家族の住む家と隠れ家を往復する生活を始めます。でも、中年男性3名が慣れない食事を用意して嬉々と食べる姿は、ボーイスカウトの少年のように可愛いくもあり…(笑)
そして1話ごとに事件に巻き込まれてゆきます(1冊に5話収録)…が、派手な捕物や活劇シーンは少なく、主人公たち三人三様の家族関係・それぞれの個性の面白み・50代の男の考え方などを軸に、市井の人間ドラマを中心とする事件内容が主で、情緒のある落ち着いた運びになっています。
その他のレギュラーは彼らの子息たちや、美人な俳諧師匠、おっかなくてやり手の岡っ引き、行きつけの飲み屋の亭主、情愛が冷めつつある誰かのお妾さんなど; あと「東海道中膝栗毛」の作者・十返舎一九や、「八犬伝」の作者・曲亭馬琴なども事件にからんでチラリと登場したり、1巻第4話「雨の花」ではいろいろな紫色の名前が事件解決のキーになっているため、思わずネットで色を確認してしまいました。
■江戸紫(青系の紫) ■京紫(赤系の紫) ■瑠璃紺(るりこん) ■藤ねずみ ■楝色(おうちいろ)…など。この色を参考にさせて頂いたのは「まなざしの工房」さんの「いっぷく」というコンテンツ内(日本の伝統色)から。宜しければご覧になってみて下さい。日本の古い色の名称には、優美で素敵なものが多いですね!
脱線しましたが、2巻の最後は主人公の一人の旗本・夏木さんの身に異変が起きたまま終わるため、この先もシリーズとして続いてゆくようです。3巻が…というか夏木さんが気になって仕方なく。
07年5月10日追記≫ 「起死の矢 - 大江戸定年組3」も読みました。
中風で倒れた夏木は半月ぶりに意識が戻り、その後は夏木さんが立ったー!クララが立ったー!の展開にほっと胸を撫でおろしたら、本巻のラストで今度は大店の隠居・七福の家に衝撃的な出来事が…。さらに次号を待て!(ですか…!)





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