「われ、謙信なりせば」風野真知雄
2007年01月18日 (Thu) 05:40

われ、謙信なりせば―上杉景勝と直江兼続
祥伝社/風野 真知雄
舞台は秀吉の死から始まり、関ヶ原合戦の後まで続く景勝と兼続の物語で、この両者に多大な影響を与えた謙信を両者に非常に巧く絡めながら展開してゆきます。
特異な設定等は見当たらずわりとオーソドックスなストーリーですが、今回初めて読んだ風野真知雄さんの文章はテンポがよく軽やかで、特に人物の心の描写には繊細な印象も。シーンごとに心の動きがするりと腑に落ちてくるため対話シーンや性格の理解がしやすく、私は気持ちよく読み進めました。
そして、景勝と兼続それぞれの心の中に住んでいる謙信像にはとても大きな食い違いが…。本書の景勝には、実父(※景勝は謙信の養子)の死を乗り越えるというステップを経過した事が性格形成や思考法に色濃く影響しており、そんな景勝と兼続の対比が明瞭で面白かった。関ヶ原に向かうため背を見せた家康を追撃しなかった景勝の思惑に、かなり納得の思いをさせられました。これを機に、風野真知雄さんのほかの作品も拝見したいと思います。






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